「中性脂肪の高め」で悩んでますか?
今回は、2型糖尿病患者様の大敵「中性脂肪高め」に対して、「中性脂肪を下げるお薬、パルモディアの効果」の論文をご紹介
健康診断で、「中性脂肪が高め」で指摘されている方は多いのでは?と思います。商品名「パルモディア®」というお薬が心筋梗塞・脳卒中による発症率をさげるのか!?という論文をご紹介致します。
【考えさせられる、結論】
「2 型糖尿病と中性脂肪高めの患者」10,497 例(66.9%に心血管疾患の既往)の人数で「二重盲検無作為化比較試験」という医学的根拠(エビデンス)の高い解析方法で3.4年間追跡した結果
ずばり!!「空腹時の中性脂肪値の中央値が271mg-dLと高め」で、LDLコレステロール(=悪玉コレステロール)の中央値が78mg/dLとしっかりと調整されている患者のうち、パルモディアの投与を受けた患者はたしかに、「中性脂肪値が低下した(26.2%低下)」
しかし!!!😨
「パルモディアを内服して中性脂肪が下っても、プラセボ(偽物の薬、つまりただの粉)の投与を受けた患者と比較して、心筋梗塞・脳梗塞の発生率は統計的に低下しなかった…」
なにが、言いたいか。
「パルモディアで中性脂肪値は下った」が、「パルモディアで将来の重大疾患の確率を統計的に下げなかった。3.4年の研究期間で…。」
これは、非常に医師としても考えさせられる結果です。
ただ、中性脂肪が高いと、心筋梗塞・脳梗塞の発症が増えることは報告されています。
しかし、おかしなことに、「中性脂肪の値をさげたところで、統計的には心筋梗塞・脳梗塞などの発症を抑えることが証明されていない」のです。
矛盾していますよね?
また、圧倒的に「LDLコレステロール(=悪玉コレステロール)を低下させたほうが、心筋梗塞・脳梗塞を低下させる」という論文が多いです。
これは私見ですが、論文には限界というものがあります。
中性脂肪が高くて、それを下げることによって「心筋梗塞・脳梗塞の発症を低下しないというのは、研究の問題もある」と思います。
「もっと長い期間(例えば30年など)で追跡をし、もっと多くの人間(例えば200万人)で解析をすれば結果は違う」可能性があります。
この論文はあくまでも論文の一つに過ぎません。
200万人などで解析をすれば、心筋梗塞・脳梗塞の発症をパルモディアで抑えられるという結果になる可能性もあります。
副作用はないので、「しっかりLDLコレステロール(=悪玉コレステロール)をまずは絶対に正常値に下げつつ、中性脂肪の値を正常に保つことは医学的観点から最もよい」と思います。
私は欧米のトップクラスの論文信者ではありますが、「中性脂肪を下げても、その結果、重症疾患の発症を下げない」という結果にはいつも疑問に思います。
減量して血糖値が下がれば、おのずと中性脂肪も下がります🔥
頑張って、減量しましょう!!
以上!
糖尿病内科医の独り言でした🔥
新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック(新宿駅徒歩3分・西新宿駅徒歩2分)
統括院長 松谷 大輔拝
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