糖尿病内科医の備忘録

〜心筋梗塞・脳梗塞にならない知識🖋を届ける〜

【勉強会:減量効果のすばらしいマンジャロ®を超える薬が…開発中🔥 難易度普通。The New England Journal of Medicine(世界2位の論文)2023 年 8 月号】

「レタトルチド」「スルボデュチド」という肥満症の週一回注射のお薬が、それぞれ「イーライリリー社(マンジャロを開発した会社)」と「ベーリンガーインゲルハイム/ジーランド社」から開発され、現在臨床研究が進められています。

あのマンジャロの更に上を行く減量効果がある薬になるかもしれません🔥🔥🔥止まらない肥満症治療の研究をご紹介🔥🔥🔥

 

 

 その前に…生活習慣病心筋梗塞脳卒中」の前には「肥満」という重要なドミノがあり、そこを抑えることが最も大切という「メタボリックドミノ」という東大の伊藤裕先生が考案したドミノを知りましょう。

 

 だから内科医たちは「痩せなさい!」って言うわけです。

 

 でも「減量したらどういう利点があるの?」という理屈がわからないとそりゃ、患者様はわからないですよね…。

今回もやはり私が大好き医学論文雑誌「The New Englanournal of Medicine」からの論文です。

メタボリックドミノ

 

 

 

 

 心筋梗塞・透析・脳梗塞などの「大病のドミノ」が倒れないためには

 

 「肥満ドミノが倒れるのを抑えることが最も大切だ!」

 

 つまり、生活習慣病のスタートは「肥満ドミノだ!」

 

 

肥満ドミノを倒してたまるか!

keio-emn.jp

k-ris.keio.ac.jp

researchmap.jp

 

 

 今回の論文も私が大好き世界2位の医学論文雑誌The New England Journal of Medicineという雑誌からデータを紹介します!

 

www.nejm.jp

アメリカのThe New England Journal of Medicineの本サイト

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2301972

The New England Journal of Medicineのサイト画面スクショ

 

 論文タイトルは…

「Triple–Hormone-Receptor Agonist Retatrutide for Obesity — A Phase 2 Trial」

 

 これが発表された医学論文雑誌の2023/08/31現在の雑誌の価値(IF: インパクトファクター)はなんと、、、「176.082点」!WOW!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 開発したイーライリリー社のホームページにも記載があります。

 

 

 

 

平均17.5%減量!たった24週間の成人で!
(イーライリリーホームページより)

investor.lilly.com

 

 

 

 野球でいうと、本当に大谷選手レベルの医学論文雑誌🔥

The New England Journal of Medicineという医学雑誌は野球で言う、「オータニサーン!!!」

 

 

 

 余談ですが、日本の医学博士が取れる論文点数は「1~2点」で十分です。

 

 寂しい…。東大は最近レポート1枚で医学博士が取得できるらしいです。。。

 

 医学博士の中でもすごい方はいますが、上位5%くらいの先生がすごいのではないか?と推察します。もっと少ないかな…。。。

 

 実のところ「ほとんど論文点数を持っていない大学教授や医師が存在する」ことも知っておきましょう。

 

 論文を正しく統計学的に正しく読める医師が少ないということは恐ろしいことです。

 

 内科も外科も。最新の新しい治療薬や手術方法の論文を常日頃から見ていないわけですから…。

 

 いと、怖し…。 

 「IF=(インパクトファクター)が高い)」

=「論文雑誌点数の高い論文を持つ医師」

=「論文を書く力が高い」

=「統計的に正しく理解する力が高い」

=それを患者様に正しく還元する力が非常に高い

という可能性があります。

 

 ただ、ここで間違えないで頂きたいのは「医療においてIFが全てではない」ということです。

 

 やはり、どの業界でも「地獄を見るほどの"臨床の経験を積んできたか?”」ということに尽きます。

 

 

 

 

医療現場での「経験・反省・患者様への還元の経験値」が一番大切

 

 

 

 

 「なぜ、あの重体患者様は救われたのか?」

 

 「なぜ、軽症に思えたあの患者様が翌日にお亡くなりになったのか?」

 

 そこが最も医療業界では大事となります。

 

 大きな病院では、医師同士で病院内で亡くなった患者様の要因を医師が大勢集まって話合うことを定期的に行われています。

 

 信じるべきものは何か?

 

 謎のサプリCMの画面の隅っこに小さく「個人の感想です。」というサプリメントを信じるべきなのでしょうか?んなわけない…。誰が証明したのか?そもそも俳優が話している時点でもう無理…。

 

 

 

 

胡散臭すぎのCM

 

 

 

 

①「謎の脂質改善サプリは価格高い+ランダム化比較試験で実証されていないので意味がない」
②なぜこれを買い、医学的根拠の高い、安全で安いお薬を選ばないのか?
③「コレステロールの薬って一生飲むんですか?」
④「はい、一生飲むからこそ、血管がずっとキレイでいられるんです。以上!」

 

 

 一生飲むと言っても、ロスバスタチン1日1回朝食後に、フリスクMINTIAなどの口臭消しくらいのサイズのお薬を飲むだけです。

 

 ロスバスタチン2.5mg1錠で3割負担だと1錠7.92円です。10円以下。。。なぜ内服を拒否するのか?

 

 医師の説明不足が原因です。

 

 それで大事な大事な一生に一回しか与えられない「きれいな血管がボロボロになっていくんです。」

 

 しかも、24時間体制で…。 

 

 LDLコレステロール(=悪玉コレステロール)が140-180mg/dL以上だと、次のような状態に血管がなります。

 

 (※回覧注意)きれいな血管でいたいですよね。厳密に言うと正常値でもこのようなプラークはいつかできます。

 

 それは当たり前です。

 

 人間はLDLコレステロールが30mg/dLは最低限ないと生きていけないからです。

 

 LDLコレステロールは細胞の膜・ホルモン・胆汁酸の成分になるからです。

 

 以下、冗談抜きで脅しではありません。

 

「警告です」

 

人生の選択肢①

「LDLコレステロールが180mg/dLの人」は「60歳前後での心筋梗塞脳卒中を覚悟してください💀」

 

人生の選択肢② 

 「LDLコレステロールが40-60mg/dLの人」は「90歳前後での心筋梗塞脳卒中を迎えら得るかもしれません👨‍🔬」

 

 どちらの道を選ぶか?答えは明確🔥自明🔥一目瞭然🔥明らか🔥明白🔥決まりきっている🔥当たり前🔥

 

 「LDLコレステロールが高くて放置を続けるとどうなるのか?」実際の写真を見て頂くのが一番早いでしょう。

 

 

 

 

高いLDLコレステロールは「血管がどんどん狭くなる…。24時間営業で…。」

 

 

【回覧注意】軽度と重度(コレステロールを下げる薬を放置した方の末路です。)
重度の恐ろしい血管を目に焼き付けてください。

 

 

 

 

 研修医のとき心臓血管外科を研修したとき、このような血管を見て「絶対にこのような血管になってはいけない」と思いました。

 

 まさに「50年経過した水道管のような血管でした。ボッロボロ」


 LDLコレステロール(=悪玉コレステロール)の高値を放置するともれなく、2番目の画像の重度のような血管になります。

 

 そりゃ…、心筋梗塞脳梗塞、血管が裂ける大動脈解離などの大病になります…。

 

話が大きくそれましたので本題に入ります。

この春2023年、GLP-1/GIPの両作用(食欲抑制効果)を持つ新しい薬「マンジャロ」がリリースされました。

 

 マンジャロは血糖降下の薬ですが、なんどもブログに書いていますが、同時に「体重減少効果」も期待されています。期待どころか確実にすると思います。

 

 マンジャロのように、GLP-1の作用を含む強力な体重減少効果をもたらす新しい薬が現在開発中です。

 

 これらの薬は、糖尿病患者を対象にした試験だけでなく、肥満患者を対象とした試験も行われており、肥満治療にも期待されています。

 

 そのうちの一つが「レタトルチド」です。

 

 レタトルチドはGLP-1/GIP/グルカゴンの3つの作用をもつ薬で、リリー社が開発しているお薬です。今後の研究の結果が期待されます。

 

 もう一つが「スルボデュチド」です。どっちの薬も読みづらいよ!!!

 

 

 

 

読みづらい薬だ…

 

 

 

 

 「スルボデュチド」はGLP-1/グルカゴンの2つの作用をもつ薬で、ベーリンガーインゲルハイム/ジーランド社が開発しています。

 

 まず、「レタトルチドの試験結果(The New England Journal of Medicine 2023)」をご紹介します。

 

 第2相試験

臨床試験第2番目の段階で、第Ⅰ相試験で安全性が確認された用量の範囲内で、同意を得た比較的少数の患者を対象とし、主に治験薬の安全性および有効性・用法・用量を調べるための試験)

 

には、338人(男性51.8%)が参加しました。

 

 BMI(肥満度)が30以上(かなり肥満)、またはBMI27-30で過体重(やや肥満)に関連する健康問題を抱える成人が対象とされました。

 

 「レタトルチド」の1mg、4mg、8mg、12mg、および偽薬を毎週注射し、48週間にわたって観察されました。

 

 48週後の体重減少率は、なんと!!

 

 それぞれ「レタトルチドの1mg、4mg、8mg、12mg」、および偽薬グループで、-8.7%、-17.1%、-22.8%、-24.8%、-1.6%(唯一、偽物の薬)でした。

 

 特に「12mgグループでは、平均体重が108kgだった参加者が約27kgも体重を減少させたこと」になります。

 

 「激ヤセ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、48週後に体重が15%以上減少した参加者の割合は、「それぞれレタトルチドの4mg、8mg、12mg、および偽薬グループで、60%、75%、83%、2%(唯一、偽物の薬)でした。

 

 「スルボデュチドも体重減少効果が高い」ようです。

 

 この試験も第2相試験で、対象は糖尿病のない肥満または過体重の人々(387人、そのうち68%が女性)で、平均年齢は49歳、平均体重は106kg、平均BMIは37でした。

 

 「スルボデュチド」は0.6mg、2.4mg、3.6mg、4.8mgの初期投与量が試されました。

 

 4.8mgの「スルボデュチド」を毎週皮下注射し、その治療を続けたグループでは、46週間で体重が18.6%減少しました。

 

 また、20週間をかけて「スルボデュチド」の用量を調整し、その後も4.8mgを維持して投与されたグループでは、46週後に体重が5%以上減少した参加者が98%、10%以上減少した参加者が82%、15%以上減少した参加者がなんと67%でした!!!

 

 

 

 

2回目

 

 

 

 

 すごい時代に突入したと行っていいでしょう。

 

 「どちらの薬にも主に消化器症状が副作用として報告されましたが、これは予想範囲内の結果」、つまり大した副作用ではなかったということです。

 

 今後が非常に期待されますね!!

 

 また今回もあらゆることを書きましたが、全ては皆様の健康のためです。

 

 4581字…。

 

 書きすぎだ…

 

 また新しい情報を皆様に共有させていただきますね!

 

 ではまた!

 

新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック(新宿駅徒歩3分・西新宿駅徒歩2分)

統括院長 松谷 大輔拝

 

【クリニック情報】

ホームページ

shinjuku-naika.clinic

ネット予約

当院の強み

診療案内

アクセス

医師紹介

お問い合わせ

【ドクターハッシー先生の講演終了!!!「クセが強いけど、滅多に聞けない話だった」とお褒め(?)のお言葉も🔥】

2023年8月18日、20時〜1時間15分に渡り私の皆様に伝えたい、特に医療に興味があり知識が豊富な方々向けに「敢えてやや難しめの講演」をハッシー先生の医療事務所で発表してきました🔥

「論文のエビデンスレベル(医学的根拠)が如何に大切か」を重点的にお話しました。

 

 さて、紀伊国屋ジュンク堂Amazon、特に専門家でもないインフルエンサーが如何に適当な情報を流しているかを、理解しているかどうかなのか?

 

 「世の中の医療啓発本には危険がたくさん」ということを伝えたく発表致しました。

 

 学会発表に近いレベルの話も聞いて頂きたい。

 

 医者の中でも知らない情報も話させて頂いたつもりです。

 

 おそらく医学論文のエビデンスレベルの知識を詳しく知っている医師は10%に満たないだろう。そのように思っています。(本当に)

 

 皆様に正しい知識を届けたい、そのような熱い?想いで緊張しつつもお話させていただきました。

 
 「正直まだ、消化不良(説明不足)」

 

 

 

 

講演は、伝えられてなんぼ

 

 

 

 

 講演、学会発表は幾度となくしてきたため、全く緊張はしなかったものの、やはり「すーーーーーーーーーっと頭に入ってくるような説明」は、完璧にはできなかった。

 

 これは悔しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 聴衆していただいた方からは「滅多に聞けない話を聞けた」とお世辞でも嬉しいのか、悲しいのかわからないご感想を頂きました。

 

 正直、「糖尿病・高血圧・脂質異常症の危なさ」について今更説明しても意味がないのです。

 

 患者様が求めているのは「真のデータ・情報・長生きができる秘訣」です🔥

 

 コンビニでは訳の分からない「高血圧は放置してOK」などの本が置かれています。

 

 あの本を見て、エビデンスレベルの高い論文を読み、正しい事実を把握している医師はどう思うか。

 

 「あーーーーーーーー完全に、雑誌の売名行為、偽り、なんなら、論文不正(情報操作)だ!」と思うわけです。

 

 医学の基本は論文。

 

 「論文」

 

 「論文」

 

 「論文」

 

 大切なので3回言いました。

 

 そして、その「論文の中身のレベルの高さ」が最も大切となります。

 

 

 

 

論文レベルは本当に重要。読み解く力も大事。
著者がアメリカ糖尿病専門医学雑誌トップの雑誌の表紙。
どこかに、D.Matsutaniとあります🔥

 

 

 

 

 M.Sakamoto先生は書いてません。データを持ってきた、現場監督みたいなものです。

 

 Gift Authorshipと言います\(^o^)/

 

 つまり、書いたフリをする「ゴーストライターです\(^o^)/」。プレゼント★

 

 スタバで1日15時間を超える執筆の上、書いたのは私です。

 

 アメリカでは「Gift Authorship(プレゼントの執筆者)を強く取り締まります」

 

 はっきり言って、この論文へのM.Sakamoto氏の寄与度は低いです。

 

 他の名前の先生はもはや、何もしていないと言っていいでしょう。(※絶対に秘密🔥)

 

 論文に採択されることが如何に大変か。

 

 それは実際に書いてみないとゼッタイにわかりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 英語で、わかりやすく、そして意味のある情報を世界中に発信する責務を担っていおるからです。

 

 タイトル作成に「1週間経過すること」も多々。

 

 導入=Introductionに3ヶ月かかることも多々あります。

 

 それくらい、患者様の人生を変えるアメリカ糖尿病専門医学雑誌

 

 これからも、患者様のデータと向き合い、自分でも勉強を重ね、正しい情報を発信していくと覚悟する日となりました。

 

 今後も引き続きマニアックなブログをよろしくお願い申し上げます。

 

 普通に生活していると、手に入らない情報を提供致します。

 

 精進して参りますので引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

 

新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック(新宿駅徒歩3分・西新宿駅徒歩2分)

統括院長 松谷 大輔拝

 

【クリニック情報】

ホームページ

shinjuku-naika.clinic

ネット予約

当院の強み

診療案内

アクセス

医師紹介

お問い合わせ

【当院は、お盆も全開で開院しております!!お盆休みなし!!】

当院は「”お盆も休みなく”全力で患者様の治療にあたります。」

全力で糖尿病・生活習慣病、一般内科の診療にあたる🔥

 

予約が「✗」で埋まっていても受診可能なことがありますので、お電話ください。

 

電話:03-6682-1466

 

これからも患者様の長寿という健康寿命を伸ばす🔥

 

今日は以上!

 

はっしー先生とのコラボ(会員制のみ)のヘルスアカデミーで発表の準備!🔥

 

8月18日20時より発表!!!(会員限定)

 

healthcare-academy.co.jp

 

はっしー先生とは完全に年齢がタメ🔥

 

頑張ります!わかりやすい説明は本当に難しい…。

 

それでは!

 

新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック(新宿駅徒歩3分・西新宿駅徒歩2分)

統括院長 松谷 大輔拝

 

【クリニック情報】

ホームページ

shinjuku-naika.clinic

ネット予約

当院の強み

診療案内

アクセス

医師紹介

お問い合わせ

【マンジャロの減量効果よくわかった。ロイター通信でニュースになり、そして、厚生労働省は怒っている。なぜか。】

さて、マンジャロの減量パワーは、アメリカ糖尿病学会で2023年は大いに盛り上がったようです。

皆さんご存知、「メタボリックドミノ」

 

 

 

 

メタボリックドミノ
多くの病気は「肥満」から始まる。

 

 

 

 

 そうです、どう考えても何をどう考えても心血管疾患(心筋梗塞脳卒中)の要因の大元は「肥満です。

 

 「わかってるよ」

 

 「今更、何を言うんだ」

 

 「耳が痛いよ」

 

 良く分かります。

 

 なぜなら、「自分も肥満に悩み続けて、痩せたり太ったりの人生だから」です。

 

 医師も当然同じ人間。食べたいときもあります。同じ人間ですもの。

 

 身体の構造、思考回路、食欲は同じ。

 

 話を戻します。

 

いままでの治療は以下の様でした。

糖尿病→「血糖下げればええやん!!!」→根本的に肥満を解消していないから、臨床研究であまり良い結果出ず…。

高血圧→「血圧値を血管広げる薬とかで下げればええやん!!!」→全体的な根本の解決になっていない。

脂質異常症→以下同郡…。

 

もう一度、メタボリックドミノを見てください。

 例え…

脂質異常症だけを治療」

「糖尿病だけを治療」

…しても、横からドミノは倒れてしまい大病を患ってしまうのです。

 

 マンジャロくんはどうなんでしょうか。

 

 ドミノの最初に君臨してる「肥満ドミノ」をブロックするのです。

 

 アメリカ人は尋常じゃなく肥満症が多い。

 

 BMI 30以上(例:170cmの人だと86.7kg、160cmの人だと76.8kg)で2019年にとった統計です。日本、4%!!低い!!

 

 

圧倒的なアメリカ肥満一位
一方、想像通りではあるが日本はこの統計では一番少ない比率。

 アメリカ合衆国の肥満率は悲劇的に高いのです。

 

 だから、ロイター通信も報じているように「後期臨床試験で、体重マイナス26.6%!」と記事を書いています。

 

 「2型糖尿病ではない肥満の方に投与した結果」です。

 

 

jp.reuters.com

 

 アメリカ人のスタートの体重が比較にならないので、日本人はここまでの減量率の結果は出ないかもしれませんが、「痩せることに間違い無い」と思います。

 

 

 

 そして「2型糖尿病を発症する前に肥満を解消して、糖尿病・生活習慣病ドミノに到達させない」

 

 そして、患者様を苦しめ、医療費を圧迫する「心筋梗塞脳梗塞、透析」は減っていくことになるでしょう。

 

 そう思います。

 

 さて、2023/07/31 現在日本の保険診療では「2型糖尿病」の治療薬として使用される薬剤です。

 

 なのに、美容クリニックが「マンジャロを自費診療で処方しまくっているおかげさまで、2型糖尿病患者様にお薬が届かなくなっています。」

 

 ということで厚生労働省から、日本糖尿病学会宛に、以下の様な通達が来ました。

厚生労働省が、静かに怒ってます。
「そもそも2型糖尿病を患っている人、そして糖尿病に限りなく近い肥満で危ない方」
 を対象に研究され発売された薬剤。

 

 医薬品卸売販売業者の方から「2.5mg、5.0mgの在庫はあるが、7.5mg、10mg、12.5mg、15.0mgの在庫が薬局にかなり少なくなってきている(2023/07/31現在)」と実際に聞きました。

 

マンジャロのラインナップ

 

 これって本当に変な話だと思います。

 

 もちろん45kgくらいのモデルの方が、仕事の都合で更に痩せるべく自費でマンジャロのような糖尿病のお薬を使う理由、目的は分かります。

 

 しかし、本当に遺伝で100kgになってしまい、糖尿病になってしまい、このままだと透析・失明・心筋梗塞になってしまう方もいるのです。

 

 「怠惰なだけだろ。」と思われる方もいると思いますが、本当に減量が難しい方には最後の砦(とりで)なのです。

 

 はい、当院は糖尿病・生活習慣病専門のクリニックです。

 

 よって、

 

「当院では自費診療でマンジャロ肥満外来、始めております。」

 

 でも…。

 

 大変申し訳ございませんが、「流通の問題もありますし、何をやっても遺伝的・メンタル的に食事運動減量が難しく、このままだと糖尿病になってしまうかもしれない。」

 

 つまり、「メタボリックドミノが倒れて、次々とドミノが倒れ始めている方」に限り自費診療をしております。

 

 このままだと、膵臓というエンジンが壊れてしまう…。腎臓も壊れてしまう…。そのような懸念がある方です。

 

 キチンと血液検査をして、2型糖尿病であれば保険診療として治療します」し、2型糖尿病の診断ではない場合は、まずはマンジャロ等のお薬による医療自費ダイエットを選択する前に、食事運動療法を指導をします。」(※もしくは、話を聞いてこれまで散々ダイエットしてきたが、心身的に疲れて減量不可能と医師が判断した場合)

 

 「多くの方が食事運動療法を間違っており、指導を重ね少しずつ減量していき、それでもこのままだと確実に健康を害する(心筋梗塞脳卒中になる)場合に、自費診療をご提案すること」にしております。

 

 お願いです。

 

 2型糖尿病の方が本当に本当に困るので、「自費診療を行っている糖尿病を中心に診察しているクリニック以外の異常な在庫保持」はやめていただきたい。

 

 2型糖尿病治療をしている医師の治療の選択肢が少なくなるのです。

 

 つまり間接的に2型糖尿病さんを苦しめていることになります。

 

 以上

 

 今回は、2型糖尿病患者様の治療選択肢を守るために書かせていただきました。

 

新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック(新宿駅徒歩3分・西新宿駅徒歩2分)

統括院長 松谷 大輔拝

 

【クリニック情報】

ホームページ

shinjuku-naika.clinic

ネット予約

当院の強み

診療案内

アクセス

医師紹介

お問い合わせ

【勉強会(難易度:高):「糖尿病とがんについて」 〜日本糖尿病界の天才まとめ文章(総説)を読んで、噛み砕いて説明を試みるの巻〜】

「糖尿病」と「がん」

「糖尿病」と「がん」が密接に関係していることは以前より知られています。改めて日本の糖尿病界の天才先生方(坊内 良太郎先生、植木 浩二郎先生)がまとめた総説(≒天才まとめ文章)を理解し、まとめることを試みます。難しい…。

 

「糖尿病とがん」

著者:坊内 良太郎先生、植木 浩二郎先生(詳細はページ下部にすべて記載)
雑誌名:糖尿病 66 (6) 468~471, 2023

 

 どういうことが書かれているか、私見は排除し客観的に、更にコンパクトにまとめてみようと思います。

 

 コンパクトにされているきれいな文章を更にコンパクトに!

 

 これは本当に難しい…。

 

 さて、スタートです。

 

「糖尿病」と「がん」
がんの検査を受けていないだと??甘い…。
ダジャレを言っている場合ではないのです。
「がん→糖尿病」 or 「糖尿病→がん」どっちもある。

 

 最後まで読破された方は…勉強家だと思います。

 

 私自身が理解が大変だったからです…。

 

 それではスタート!!!

 

 国内外で数々の研究により、「糖尿病を患っている人たちには特定のがんのリスクが高い」ことがわかっています。

 

 はい、もう重たいので休憩しましょう。景色の画像で癒やされてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 癒やされましたね。

 

 さて、始めましょう。

 

 日本では糖尿病患者の死因の第一位は「悪性新生物=がん」となっており、「糖尿病とがんの関連性の重要性」が指摘されています。

 

 っていうことで何が大切か?

 

 そうです。

 

「糖尿病に多い「がん」をどうやって抑制するべきか?」

 

 そこが大事なのです。

 

 私自身「血糖値が高いの人、げっそりしていて、顔色も悪いな…。まさか…。がんがあるのでは?」

 

 後日造影CT検査を行って、がんを何人みつけて外科に紹介したか…。

 

 「がん」→「糖尿病」もあり、そして「糖尿病」→「がん」もあるのです。

 

 今回の勉強会は「糖尿病」→「がん」のお話になります。

 

 天才先生方は、超大事な研究をされているのです。

 

 糖尿病を患っている人は何がんが増加するのでしょうか??

 

 以下です。

 

・結腸がん

・胆管がん

膵臓がん

乳がん

胃がん

・肝臓がん

…などのリスクが高まる傾向があるのです。

 

 これは…「ほぼ全部の臓器のがんのリスクが増加する」と覚えるべきでしょう。

 

日本糖尿病学会」と「癌学会」が共同で行った研究をご紹介します。

 

 日本「国内」の8つの研究結果を統合的に分析しています。

 

 この分析では「日本のみに限定したことが大切」なのです。

 

 日本人と外国人が明らかに体格や食生活が違うので、海外の論文ばかりを信用することは間違っているのです。(日本の研究レベルが低くてなかなか研究が少ないのが事実…なのでアジア人論文、例えば中国人や韓国の論文も増えています。)

 

 アメリカの論文であっても、キチンとアジア人、欧州、米国(白人、黒人)などに分けて人種別に解析をしてまずので、サブ解析の結果も確認することが大切となります。

 

 あっ、あくびしました?

 

 

 

 

勉強会って、眠いですよね…。いい睡眠薬…。

 

 

 

 

 続けます。

 

 統合的に分析した結果「日本の糖尿病患者は、全体的ながんの発症リスクが1.2倍高くなる」ことが分かりました。

 

 「え?たった20%しか増加しないの?」そう思われた方もいるかと思います。

 

 20%の増加は相当な増加です。

 

 具体的には、「結腸(大腸)がん、肝臓がん、すい臓がん」のリスクが特に高まることが示されています。

 

 「糖尿病患者さんには、大腸がん、肝臓がん、すい臓がんリスクが特に高かった」ということです。

 

 また、「子宮内膜がんや膀胱がんのリスクも関連する可能性が”示唆”」されています。糖尿病があると子宮内膜がんや膀胱がんリスクが増えるかも?ということです。

 

 一方では、乳がん前立腺がんとの関連は見られませんでした。

 

 しかし、論文を8個まとめたことは非常に素晴らしいことなのですが、更に100個、1000個の論文をまとめると全く違う結果になる可能性があることも頭に入れて置かなければなりません。

 

 そろそろ、疲労がでてきましたね。

 

 もう1回、きれいな日本の風景をみてやすらぎましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 キレイだ…

 

 一旦寝ましょう。

 

 気が向いたら、続きを読みましょう。

 

 先は長いです。(吐き気がない方のみ、読み進めてください。天才先生方が悪いのではなく、医学は非常に難しく、そして果てしなく複雑なのが悪いのです。)

 

 続けます。

 

 「糖尿病」と「がん」の研究結果については、高血糖状態」「高インスリン血症状態」が関与しているのではないか?

 

 と考えられています。

 

 補足

「高インスリン血症状態」

すい臓君が、「血糖値を下げなきゃさげなきゃ!」と必死にアクセルを踏んで頑張っている状態のことです。

 

 膵臓くんはがんばり屋さんなので皆様の血糖値を下げようと、毎秒単位でインスリン量を調節して、血糖値を常に100mg/dLに保つようにしてくれています。

 

 

 

 

日々頑張り続ける軌跡の臓器「膵臓くん」

 

 

 

 

 しかし!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 「肥満、身体活動、喫煙などのがん発症リスクによる影響も考慮する必要」があるんです。

 

 「糖尿病→がん増加」ではなくて、「その他の要因が間にあるんじゃないん???」

 

 つまり、糖尿病だけでがんのリスクが増加しているわけではないんじゃないの?ということです。

 

 「糖尿病とがんとの関連については明確ではない部分がまだまだたくさんある」ということです。

 

 結局のところは、糖尿病患者さんが、がんになるリスクには多くの要因が絡み合っている可能性があるので、まだ良くわかっていないという結論になります。

 

 論文の最後の一文の鉄板文句

 

 「更なる研究が必要である。」

 

 論文を読みながらも「ズルすぎる…。」と思いつつも、絶対に書かないといけない文言なのです。

 

 ただ、「糖尿病」と「がん」の関連性は統計上明らかであり、研究が進められています。

 

 もう少しだけ深いところへご案内しましょう。

 

 

 

 

医学というのは「果てしなく深い洞窟」のような分野


 

 

 

 さて、頭のエンジンを再度かけましょう。  

 

 本題の「糖尿病」「がん」の関連についての病態について説明します。

 

 糖尿病では、以下のステップを踏みインスリン抵抗性」、つまり「自分の膵臓からのインスリンが全然全身に効いてくれない、染み渡ってくれない現象」とも言いかえられる現象が身体の中で発生することの医学専門用語です。

 

インスリン抵抗性の要因

「遺伝的な要因」+「食べ過ぎによる肥満」+「運動不足、運動不足による肥満」などの環境要因の悪化

  ↓

内臓に脂肪が蓄積」

  ↓

脂肪肝」などの異常

 

 これにより悪の根源インスリン抵抗性」が引き起こされます。

 

 このインスリン抵抗性は、がんの発生や増殖に関与している可能性」が考えられています(図1)。

 

 図は非常に難しいので、とりあえず…

 

インスリンの効きを悪くする脂肪が悪性腫瘍を増やしているのかも!」

 

と覚えましょう!

 

図1:インスリン抵抗性は、がんの発生や増殖に関与している可能性

 

 

 

 

 ここからは、かなり難しい用語が続きます。読んでみようという勇者のみで良いと思います。

 

 インスリン抵抗性」は、「高インスリン血症」とグルになり以下のような「悪さ」をするのではないかと推定されています。

 

インスリン抵抗性」「高インスリン血症」

 ↓ 

・脂肪細胞からの炎症を引き起こす「炎症性サイトカインなどの悪い物質の産生増加」

・肝臓や脂肪細胞でのInsulin-like growth factor(IGF)-1の増加などを経て、細胞の増殖、移動、血管新生、アポトーシス(細胞の自然な死亡)の抑制を引き起こし、がんのリスクを高める

 

 こんな悪い流れが起きていると考えられています。

 

 は?なんですか?IGF-1?という方も多数おられると思いますので以下補足致します。

 

 インスリン様成長因子(IGF)-1について補足

 インスリン様成長因子(IGF)-1は、私たちの体の中で作られるタンパク質の一種です。

 

 このタンパク質は、細胞の成長や分裂、そして組織の発育に重要な役割を果たします。

 

 通常、IGF-1は私たちの成長や健康維持にとって必要なものですが、一部のがんに関連して問題が起こる場合があります。

 

 なぜなら、IGF-1は細胞の増殖を促進する性質を持っているからです。

 

 がん細胞もこれに反応し、増殖が刺激されることがあります。

 

 つまり、がん細胞は通常の細胞と同じように、IGF-1の影響を受けて成長し、増殖します。その結果、がん細胞が異常なペースで増えてしまい、がんの成長や拡散が加速される可能性があるのです。

 

 例えると、IGF-1は肥料のようなものだと考えることができます。

 

 通常、肥料は植物の成長を助けるために使われますが、悪い側面として、雑草も同じように肥料を受けて成長してしまうことがあるように、がん細胞もIGF-1を受けて成長してしまうのです。

 

 

 

 

「がん」を増やしてしまうIGF-1を如何に抑制するか?
これが、医療では大切!!!

 

 

 

 

 ですので、医学の分野では、がん治療の一環としてIGF-1の働きを抑える方法が研究されている」のです。

 

 これによって、がん細胞の増殖を抑えることが期待され、治療効果を高める可能性があるのです。

 

 特に、乳がん、肺がん、子宮がん、甲状腺がんでは、「がん細胞のインスリン/IGF-1受容体の発現」が他のがんよりも高く、これらのがんにおいては高いインスリンIGF-1の影響が強く示唆されています。

 

 また、高血糖"自体"」もがんの成長に関連している可能性があるという報告もあります。

 

 「がん細胞は高血糖状態でエネルギーを生み出すための仕組みを持っており、"高血糖"ががん細胞の増殖、アポトーシス(自然な細胞の死)、浸潤性に影響を与える」ことが知られています。

 

 これはイメージしやすいですね。

 

 〜"糖質"を栄養に「がん」は成長し、広がっていく〜

 

 一方、前立腺がんのリスクは糖尿病患者において低いとされていますが、その理由としては低アンドロゲン血症が関係している可能性が考えられています。

 

 ここについては、自分の勉強不足なので宿題とさせてください。

 

 糖尿病の方はアンドロゲンという男性ホルモンが少なくなる?という意味で前立腺がんが少ないのかもしれません。

 

 また、最近の研究では、「腸内環境の異常」糖尿病やがんの発症に影響を与えることが明らかにされています。

 

 これらの研究から、インスリンシグナル」「腸内環境」を考慮することで、がん発症を予防する可能性」が示唆されています。

 

 つまりこれまでの研究の結果は、「がん予防のための新しい治療法の開発にも役立つ」かもしれません(図2)。

 

 図2は、非常に非常に難解なため、とりあえず「糖尿病にならない、糖尿病で会ってもデータをよくする、腸内細菌バランスも良くすること!」が、がんの発症を抑制するかもしれない!と覚えておくと良いと思います。

 

 

図2
インスリンシグナル」や「腸内環境」を考慮することで、
がんの発症予防の可能性があるかも?



 

 

 最後に、「糖尿病治療薬とがんの関連」についてお話して今回の難易度の高い回を終わりにしたいと思います。

 

 「糖尿病の治療に使われる薬には、がんのリスクに影響を与える」ものもある。かもしれません。

 

 つまり、がんの発症を抑制する可能性がある薬があるかもしれないのです。(あくまでも論文ベースなので”ゼッタイ”は存在しません。断言はしません。)

 

 糖尿病の方の多くが内服している「メトホルミン(先発品:メトグルコ®)は、がんの発生リスクが低い」という報告があります。

 

 これは、インスリンを介する経路や直接的な経路(AMPK活性化の増加やmTORシグナルの減少など)によって抗がん効果が期待されている薬です。

 

 しかし、現在までの研究では、メトホルミンのがん抑制効果についての確かな証拠は得られていません。

 

 特に乳がんに対しての効果については分かっていないようです。

 

 チアゾリジン誘導体と膀胱がんの関連については、複数の研究で膀胱がんのリスクが時間や用量によって増加する可能性が示されています。特に長期間にわたって使用される場合には、膀胱がんのリスクに注意が必要です。

 

 インクレチン関連薬は、膵臓がん、甲状腺髄様がん(GLP-1受容体作動薬)、胆管がんのリスクが懸念されていますが、膵臓がんや甲状腺髄様がんについては明確な関連性が報告されていません。胆管がんについても、報告によっては関連性が示唆されているものもあれば否定的なものもあり、今後の研究が待たれる状況です。

 

 一部の研究では、外因性インスリン(人工的なインスリン)が細胞の分裂を促進する可能性が示唆されていましたが、疫学的な研究ではインスリン投与とがんリスク上昇の関連は見られないとの結果も出ています。

 

 また、「SGLT2阻害薬」や「イメグリミン®」については、まだ上市されてからの期間が短く、長期的なデータが不足している状況です。

 

 したがって、糖尿病薬を使用する際には、がんリスクに注意しながら個々の症例に合った適切な治療を検討し、長期使用においては適切なスクリーニングを行うことが重要です。

 

 今回は、難易度の高い「糖尿病患者におけるがんリスクについてのデータや、糖尿病とがんの仕組みについて」お話ししました。

 

 「骨格筋や腸管のインスリンシグナル」「がんの発生を抑制する役割」についても触れました。

 

 さらに、糖尿病治療に使われる薬によってがんのリスクが気になる点についても説明しました。

 

 これらの研究をもとに、「糖尿病に関連するがんを予防するために最適な治療選択や、特別な治療法の研究開発が期待」されています。

 

 今回も偉そうに、勉強会をしてみました。

 

 最後はかなり難しかったと思いますので、ブログ記事を更新してわかりやすい文章にしようと思っています。

 

 最後まで見てくれている方は少ないと思いますが…、「糖尿病とがん」の関係性は非常に大切なので、引き続き勉強していきたいと思いました。

 

 それでは引き続き勉強してまいります。

 

新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック(新宿駅徒歩3分・西新宿駅徒歩2分)

統括院長 松谷 大輔拝

 

【クリニック情報】

ホームページ

shinjuku-naika.clinic

ネット予約

当院の強み

診療案内

アクセス

医師紹介

お問い合わせ

 

 

引用文献リスト:
1)春日雅人,植木浩二郎,田嶼尚子,野田光彦,大橋健,能登洋,後藤温,小川渉,堺隆一,津金昌一郎,浜島信之,中釜斉,田島和雄,宮園浩平,今井浩三,糖尿病と癌に関する委員会(2013)糖尿病と癌に関する委員会報告.糖尿病 56:374-390

www.jstage.jst.go.jp


2)Tsilidis KK, Kasimis JC, Lopez DS, Ntzani EE, Ioannidis JP (2015) Type 2 diabetes and cancer: umbrella review of meta-analyses of observational studies. BMJ 350: g7607

www.bmj.com


3)Khandekar MJ, Cohen P, Spiegelman BM (2011) Molecular mechanisms of cancer development in obesity. Nat Rev Cancer 11: 886-895

www.nature.com


4)White MF (1998) The IRS-signalling system: a network of docking proteins that mediate insulin action. Mol Cell Biochem 182: 3-11

link.springer.com5)Li W, Ma Q, Li J, Guo K, Liu H, Han L, Ma G (2011) Hyperglycemia enhances the invasive and migratory activity of pancreatic cancer cells via hydrogen peroxide. Oncol Rep 25: 1279-1287

www.spandidos-publications.com


6)Kang C, LeRoith D, Gallagher EJ (2018) Diabetes, obesity, and breast cancer. Endocrinology 159: 3801-3812

www.ncbi.nlm.nih.gov


7)Bansal D, Bhansali A, Kapil G, Undela K, Tiwari P (2013) Type 2 diabetes and risk of prostate cancer: a meta-analysis of observational studies. Prostate Cancer Prostatic Dis 16: 151-158, S1

www.nature.com


8)Yoshimoto S, Loo TM, Atarashi K, Kanda H, Sato S, Oyadomari S, Iwakura Y, Oshima K, Morita H, Hattori M, Honda K, Ishikawa Y, Hara E, Ohtani N (2013) Obesity-induced gut microbial metabolite promotes liver cancer through senescence secretome. Nature 499: 97-101

www.nature.com

 


9)Sasako T, Ohsugi M, Kubota N, Itoh S, Okazaki Y, Terai A, Kubota T, Yamashita S, Nakatsukasa K, Kamura T, Iwayama K, Tokuyama K, Kiyonari H, Furuta Y, Shibahara J, Fukayama M, Enooku K, Okushin K, Tsutsumi T, Tateishi R, Tobe K, Asahara H, Koike K, Kadowaki T, Ueki K (2019) Hepatic Sdf2l1 controls feeding-induced ER stress and regulates metabolism. Nat Commun 10: 947

www.nature.com


10)Sasako T, Umehara T, Soeda K, Kaneko K, Suzuki M, Kobayashi N, Okazaki Y, Tamura-Nakano M, Chiba T, Accili D, Kahn CR, Noda T, Asahara H, Yamauchi T, Kadowaki T, Ueki K (2022) Deletion of skeletal muscle Akt1/2 causes osteosarcopenia and reduces lifespan in mice. Nat Commun 13: 5655

www.nature.com

 

11)Libby G, Donnelly LA, Donnan PT, Alessi DR, Morris AD, Evans JM (2009) New users of metformin are at low risk of incident cancer: a cohort study among people with type 2 diabetes. Diabetes Care 32: 1620-1625

diabetesjournals.org


12)Goodwin PJ, Chen BE, Gelmon KA, Huh R, Bray R, Patel H, Rodríguez Á (2022) Effect of Metformin vs Placebo on Invasive Disease-Free Survival in Patients With Breast Cancer: The MA.32 Randomized Clinical Trial. JAMA 327: 1963-1973

jamanetwork.com


13)Tang H, Shi W, Fu S, Wang T, Zhai S, Song Y, Han J (2018) Pioglitazone and bladder cancer risk: a systematic review and meta-analysis. Cancer Med 7: 1070-1080

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

14)Abrahami D, Douros A, Yin H, Yu OH, Faillie JL, Montastruc F, Platt RW, Bouganim N, Azoulay L (2018) Incretin-based drugs and risk of cholangiocarcinoma among patients with type 2 diabetes: population-based cohort study. BMJ 363: k4880

www.bmj.com


15)Overbeek JA, Bakker M, van der Heijden AAWA, van Herk-Sukel MPP, Herings RMC, Nijpels G (2018) Risk of dipeptidyl peptidase-4 (DPP-4) inhibitors on site-specific cancer: A systematic review and meta-analysis. Diabetes Metab Res Rev 34: e3004

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

著者の所属病院:国立国際医療研究センター

www.hosp.ncgm.go.jp

 

research-er.jp

 

research-er.jp

 

www.jstage.jst.go.jp

【復習は重要!勉強会:「ざっくり糖尿病ってなんでなるの?」】

糖尿病を模式図で正確に書くと、複雑すぎて理解不能になります。

そこで、今回は「なぜ肥満が2型糖尿病になるのか?」かなり、端的に説明いたします。今回は肥満の方が2型糖尿病になる理由の解説となります。細身の方はまた別の回にご説明いたします。

まずは「超簡潔化した糖尿病の模式図」を御覧ください。見ただけでは意味不明なのでご説明いたします。

 

 

 

 

糖尿病の模式図

 

 

 

 

 【図の解説】

・図の一番左:血糖を下げるためのホルモン、インスリンを分泌する「膵臓くん」

・図の一番右:「小窓付きの血管」と、血管内の「赤丸の血糖」

 

【血糖値の調節の仕組み】

・胃腸から吸収された血糖は、血管の中に入ります。(模式図の一番右の赤丸が血糖)

 

・24時間営業の心臓、腸管、脳、筋肉、肝臓などのあらゆる臓器に「血糖」を届けるために「血管の小窓」を開けて「糖質というエネルギー」を全身の内臓にくまなく与えなくてはなりません。

 

・そこで登場するのが図の一番左の「インスリン」を分泌してくれる「膵臓くん」です。ざっくりいうと、「血管の小窓を開ける鍵=インスリンとお考えください。

 

・「小窓を開ける鍵」=「インスリン」が血管に届くと小窓が開き血管内の「血糖」があらゆる臓器にエネルギーとして届けられ、内臓は毎日毎日動くことができます。そして、血糖値は正常に保たれます。

 

本題です。

「糖尿病の説明」

 真ん中に「大きな脂肪の壁」が立ちはだかっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 身体の中では「膵臓くんが出す、血管の小窓を開ける鍵」という名の「血糖を下げるホルモン=インスリン」が流れているのですが、「大きな脂肪の壁」が血管の前に存在し、血管になかなかたどり着くことができません。。。

 

↓結果…

 

 はい、その通りでございます。血管にインスリンが届きませんので、血管の中に「血糖がとどまってしまいます。」→糖尿病状態

 

 これを専門学的には「インスリン抵抗性」といいます。つまりインスリンの壁、邪魔過ぎ問題」ということです。

 

 こうなると「膵臓くんはどうするか?」

 

 膵臓くんにも意地というものがあります。アクセルを踏んでなんとかその壁を壊し、血管にインスリンを届けます。

 

 この段階では「血管の小窓」が開くので、血糖値は正常に保たれます。

 

 しかし、頑張りすぎた膵臓くんの顔」を見てみましょう。

 

 こんな表情をしてます。

 

 

 

 

膵臓くん」の限界間近

 

 

 

 

 何が問題か。

 

 一目瞭然。

 

 もう一度模式図を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明らかに「脂肪の壁」は「膵臓くん」のインスリンを血管に届けるというお仕事の邪魔をしていますね。

 

 まじめで熱心な「膵臓くん」は「脂肪の壁を突き破ろうと毎日毎日頑張ります。しかし、痩せないは、残念ながらオーバーヒート状態」となってしまいます。

 

 車で言うならアクセルベタ踏みで180km/時でるところが時速30km/時しか出なくなっている状況。ここで「糖尿病」を発症します。

 

 なぜ、医師が何度も何度も「痩せてください、運動で脂肪を燃やしてください」

 

 そのように言うのか。

 

 単純な模式図が頭に入っていれば、理解ができるかと思います。

 

 痩せて「脂肪の壁」を除くしか無いのです。

 

 薬の話を少しして、終りにします。

 

【お薬はどこに働きかけて血糖値を下げているのか?】

メトグルコ(後発品:メトホルミン)

 多くの2型糖尿病患者の方がこの薬は、「脂肪の壁にトンネルを作る薬」となります。

 

 ですので第一選択薬レベルのお薬なのです。

 

 

SGLT2阻害薬(ジャディアンス、フォシーガ、カナグルなど)

 尿からカロリーを1日1錠で300-400kcal程度毎日排出します。

 

 このことから糖尿病の要因である「脂肪の壁」が少しずつ少しずつ溶けていきます。

 

 インスリンは当然、膵臓に届き、「血管の小窓」が開きやすくなり血糖値は良くなっていきます。

 

 根本的に糖尿病を改善に向かわせる素晴らしいお薬!😍

 流行りの「GLP-1受容体作動薬関連(週一回注射薬)」(オゼンピック、マンジャロ、トルリシティーなど)

 胃腸の動きをゆっくりにすることで食欲を食べすぎていたところから、通常レベルに調節することで、減量していきます。

 

 当然「脂肪の壁」は薄くなっていきます。

 

 血糖も改善します。

 

DPP4阻害薬(ジャヌビア、エクア、トラゼンタ、テネリア、グラクティブ、スイニー等)

 AI機能付きの「膵臓からのインスリン分泌調整薬」です。

 

 つまり、、、

「血糖高いとき」→「インスリンを多めに出す」

 

「血糖低めの時」→「膵臓は休憩してインスリンは出さない」

 

 画期的なお薬かと思います。インスリン分泌能力がやや低い方に効果ありますが、必ず「脂肪の壁の中にトンネルを作るメトホルミン」を内服しないと「焼け石に水」となります。

 

 「メトホルミンとDPP4阻害薬はセットで初めて効果が出る」とやや肥満以上の方は、特にそう思います。

 

 糖尿病のお薬はまだまだたくさんの種類がありますが、少しずつ説明させていただきたく存じます。

 

 

 ぜひ、今回の模式図を頭に叩き込んでいただき「糖尿病治療のヒント」にしていただけたらと存じます。

 

 また、ブログ書いてみようと思います。

 

 最近、難しすぎる論文を書いているような気がしていて悩んでいるのですが、わかりやすさを意識した書き方の練習をしています。

 

 

 

 ぜひ、かけるようになってください。(あくまでも模式図ですが、概ね間違ってないです。)

 

 それでは次のブログも勉強になる記事を書きたいと思います。

 

 引き続き新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニックをよろしくお願いいたします。

 

新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック(新宿駅徒歩3分・西新宿駅徒歩2分)

統括院長 松谷 大輔拝

 

【クリニック情報】

ホームページ

shinjuku-naika.clinic

ネット予約

当院の強み

診療案内

アクセス

医師紹介

お問い合わせ

【マンジャロ®はすごすぎるかもしれない…🔥減量すごい、HbA1c下がる低血糖少ない…。オゼンピック®1mgよりも…。 Diabetes, Obesity and Metabolism 2023年4月号】

2型糖尿病の方は「マンジャロ®」に期待を抱いているのではないでしょうか?

今回は、5つの非常にエビデンスレベル(医学的根拠)の高い論文を5つ集めた解析の論文、Diabetes, Obesity and Metabolismというアメリカ糖尿病専門医学雑誌の最高峰の論文をご紹介します🔥

 

Randomized Controlled Trial Diabetes Obes Metab. 2023 Apr;25(4):965-974.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

【結論から🔥】

簡単に言うと、2型糖尿病患者を対象に行った5つの最強の研究を更に解析して、圧倒的に「マンジャロ®先生HbA1c低下、減量パワー強し、低血糖なし!強かった!」つまり、マンジャロ®先生無敵??状態。(※注意:まだ、さらなる解析は必要)

「マンジャロ®5mg, 10mg, 15mg」 v.s. 「オゼンピック®1.0mg」 v.s. 「インスリン」 v.s. 「偽物の薬(プラセボ:ただの粉)」の戦いで、、、

 

「すげぇよ……流石に……マンジャロ先生……

 

 

 

 

マンジャロ先生!一人勝ちしようとしてますか?😳

 

 

 

 

方法は、簡単に言います。

 

以下の薬で、「HbA1cの低下作用」、「減量作用」、「低血糖の頻度」を戦わせました。

 

研究に参加したお薬選手を以下に記載します。

 

元々一般的な”マンジャロ先生以外”の糖尿病薬で治療をしていた方に以下のお薬を追加し、解析しています。

 

選手①「元々の治療薬+マンジャロ5mg、10mg、15mgの週一回注射薬のいずれか」
選手②「元々の治療薬+オゼンピック1.0mgの週一回注射」 
選手③「元々の治療薬+偽物のただ水が入った週一回注射薬」
選手4「元々の治療薬+インスリン(トレシーバもしくはグラルギン)」
以上の4選手で行われました。

 

 

 

 

ガチ勝負(負けられない戦い)
健康になるためならちゃんと研究をする。
これが近年の世界一の研究国アメリカ。

 

 

 

 

ってことで、マンジャロが下記の図の通り圧勝しました。

 

グラフを見てもわけわからないかもしれないので、グラフの下にざっくり解説します。

 

 

図1:HbA1c 7.0%未満達成率+5%の体重減少+低血糖の少なさ

 

 

 

 

図2:HbA1c 6.5%未満達成率+5%の体重減少+低血糖の少なさ

 

 

 

 

図3:HbA1c 5.7%未満達成率+5%の体重減少+低血糖の少なさ



 

 

「マンジャロ5mg、10mg、15mgが優勝!!」

例えば図3の縦軸「HbA1c 5.7%未満の達成率+体重の減量パワー+低血糖の少なさ。マンジャロが達成率高い!圧勝!」そういう意味なのです。

 

薄い青=マンジャロ5mg

中くらいの青=マンジャロ10mg

最も濃い青=マンジャロ15mg

灰色=「マンジャロ以外のこれまでの糖尿病薬」や「偽物の週一回の注射(生理食塩水入りなど)」

 

縦軸は「HbA1c 5.7%未満の達成率+体重の減量パワー+低血糖の少なさ」の達成率!

SURPASS-1,2,3,4,5というのは、SURPASSというマンジャロ®の研究名の略称です。

 

今日2023/07/13の結論!!!

「マンジャロ恐るべし…」

 

 なんども言いますが、研究に絶対はありません。ただ、私は非常にエビデンスレベルの高い研究と思います。

 

 ってことで、また勉強してみました。

 

 実際にどんな研究がなされて、世界的に糖尿病トップクラスの医学論文雑誌で発表されているかは、一般の地上波では公表されません。

 

 「病院のお薬のCMは基本的に原則的に禁止」されているからです。

 

 なので私見も含みますが、客観的事実としてエビデンスレベル(医学的根拠)の高い論文を定期的に発信していきたいと存じます。

 

 またよい論文を見つけましたら皆様に発信したく存じます。

 

 引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

 

新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック(新宿駅徒歩3分・西新宿駅徒歩2分)

統括院長 松谷 大輔拝

 

【クリニック情報】

ホームページ

shinjuku-naika.clinic

ネット予約

当院の強み

診療案内

アクセス

医師紹介

お問い合わせ