糖尿病内科医の備忘録

〜心筋梗塞・脳梗塞にならない知識🖋を届ける〜

「人工甘味料の怖さ」について少々調べて見た。⭐⭐⭐The New England Journal of Medicine 2023年8月号⭐⭐⭐

タイトルが非常におしゃれな論文だ。そのタイトル名は…

 

「Sucralose(スクラロース) and Erythritol (エリトリトール)— Not Too Sweet」

 

 日本語訳人工甘味料”甘くない”---(健康にとってそんなに甘くないかもしれないぞという意味が含まれている。)

 

「甘いものと健康のナゾに迫る! 人工甘味料ってどうなの?」

 砂糖の過剰摂取が健康に悪影響を及ぼすことはよく知られています。

 

 

 

人工甘味料の謎

 

 

 

 

 しかし、古くから、体の代謝に良い影響をもたらす可能性があるとされ、「砂糖の代替として人工甘味料が用いられてきました。

 

 

 

 そのため、食品業界ではこれらの"甘味料の開発"が進んでおり、アメリカでは特に砂糖の代替としての利用が期待されています。

 

 

 

 発売初期では、人工甘味料はほとんど吸収されず、カロリーも低いため、「砂糖の代わりに摂ることが体にとって有益かもしれない!!」との考えが広まりました。

 

 

 

 

期待の眼差し✨

 

 

 

 

 今では、人工甘味料は多くの加工食品、ソフトドリンク、ソース、お菓子などに広く使用されています。

 

 

 

 

黒コーラは人工甘味料のお祭り




 

 ただし、最初の信念、人工甘味料はほとんど吸収されず、カロリーも低い」に疑念が生じており、これらの甘味料が体に悪影響を及ぼす可能性があることが指摘されています。

 

 

 

 

人工甘味料は本当に安全なのか???

 

 

 

 

 実際、世界保健機関(WHO)も最近、体重管理のための一時的な人工甘味料の使用について勧告を出しています。」

 

 

 

 最新の研究によれば、特にスクラロース「エリスリトール」といった人工甘味料が、免疫系心臓血管に悪影響を及ぼす可能性があることが示唆」されています。

 

 

 

 例えば、スクラロースに関するある研究*1では、この甘味料が「T細胞免疫と免疫関連の疾患に対してどのような影響を及ぼすか?」が調査されました。

 

 

 

 その結果、スクラロースにさらされたマウスは、「T細胞の増殖と分化が抑制され、感染症に対する感受性が高まる」ことが示されました。

 

 

 

 これにより、スクラロース」が免疫系の正常な機能を妨げる可能性が浮上しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 つまり、スクラロースが免疫力を下げる可能性が示唆された」のです。(動物実験レベルですが。それでも大事なデータです。)

 

 

 

 その後、著者らは「リンパ腫と膵臓がんのマウスモデル」で、スクラロースによるT細胞免疫の抑制の影響を評価」しました。

 

 

 

 その結果、「両方のモデルで腫瘍浸潤T細胞が減少し、腫瘍の成長が増加する」ことが観察されました。

 

 

 

 

まじかよ…。
将来が不安になってきたよ…。
炭酸水にしようかな…。

 

 

 

 

 別の研究*2では「エリスリトール」という天然の甘味料に焦点を当て、「心臓の健康に影響を与える可能性」が示唆されました。

 

 

 

 

 

人工甘味料は心臓に影響を与える可能性あり」

 

 

 

 

 「エリスリトール」は多くの加工食品に使用されており、通常の自然な甘味料に比べて大量に使用されていることもあります。

 

 

 

 この研究では、心臓疾患のリスクと「エリスリトール」血中濃度との関連が示唆されました。

 

 

 

 さらに、「エリスリトール」血小板の活性を高め、血液中やマウスの頸動脈(首の動脈血管)で血栓が発生しやすくなることも明らかになりました。

 

 

 

 

エリスリトールは頸動脈に血栓を作るリスクがあるかもしれない…

 

 

 

 

 実際、「エリスリトールを含むソフトドリンクを摂取した健康なボランティアの血液中にも、血小板の活性に影響を及ぼすエリスリトールが検出された」のです。

 

 

 

 これらの研究からは、「一部の人工甘味料が体に対して好影響をもたらす可能性に疑念が投げかけられていることが分かります。」

 

 

 

 さらに、最新の研究では通常の摂取量でも人工甘味料が口内・腸内の微生物叢、血液中の物質に影響を与え、血糖コントロールを複雑にすることが示されています。」

 

 

 

 「な、な、な、ななななななななななななななんだと!?血糖コントロールを複雑にするだと!?許せん!!!(●`ε´●)🔥🔥🔥」

 

 

 

 

糖尿病内科医として「血糖値に影響を与えるのは許さん!!!🔥」

 

 

 

 

 加えて、「異なる種類の人工甘味料が腸内微生物にどのような影響を及ぼすのかについても未解明の点が多いため、この問題は複雑さを増しています。」

 

 

 

 しかし、これらの最新研究から得られる教訓は、人工甘味料が人間の健康や疾患に与える影響を理解するために、より多くの臨床試験が必要である」ということです。

 

 

 

 言い換えれば、人工甘味料に関する議論は未だに終わりを迎えておらず、科学者たちはこの問題の答えを見つけるために努力し続けているのです。」

 

 

 

 つまり、今回の論文では「必ずしも人工甘味料がNGということは証明されていないということでもある一方で、もしかしたら免疫力や血糖異常に影響を及ぼすかもしれない」

 

 

 

 これからのたくさんの論文が望まれる🔥

 

 

 

 ↑これ、論文の最後の「鉄板の言葉」です。

 

 

 

 論文ですべてを証明することは非常に難しいのです。

 

 

 

 ただ、少しずつ少しずつ医学的根拠(エビデンス)を積み上げることが非常に大事なのです。

 

 

 

 動物実験も命。臨床研究も命。研究は常に続けなければならない。

 

 

 

 そして「医師は、その論文を常に勉強しなければならない」

 

 

 

 はい、偉そうに今回もブログを書きました!もっと頻度を上げたいのですが、嬉しいことに患者様が増えてきて、書く時間がなくなってきてます。

 

 

 

 僕はYoutubeも本格的に始めます!

 

 

 

 Youtubeを初めてほしい!という声が増えてくれば励みになりますので、このくだらないブログの読者になっていただけますと幸いに存じます!

 

 

 

 以上!!!

 

 

 

新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック

新宿駅徒歩3分・西新宿駅徒歩2分)

統括院長 松谷 大輔拝

 

 

 

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