自費ダイエットについて(私見)
結論から:肥満の方の自費医療ダイエットのお薬は「糖尿病クリニックの糖尿病内科医」の先生に処方してもらうことをオススメします。
もし、「糖尿病」になっていないことがベストではありますが「糖尿病なのに自費で美容クリニックで糖尿病薬を使用している方」は、とてももったいないし危険!
理由
①:減量はもちろんのこと、他のお薬も併用しつつ最適に血糖値、血圧値、脂質値は下げられて健康体になれ、若くして脳梗塞で寝たきりなどを防ぐことができます。
②:糖尿病となりますと保険診療が適応されますので、概算ですが医療ダイエット注射1本の原価が3,000円なのに対して、美容クリニックは10倍の30,000円を請求しますので9割引で安全な減量、血糖値の調節が可能となります。つまり、「検討を手に入れ、さらには費用の大幅軽減」となり、一石二鳥🐦
【解説】
自費医療ダイエットで、飲み💊や注射薬💉(週1回の注射など)を目的に美容クリニックに行かれている方は多くいらっしゃるかと思います。これらの薬は実は「すべて糖尿病治療のお薬」なのです。
冷静に考えてみてください。
「肥満」があるとうことは、「糖尿病に加え、高血圧、脂質異常症(=高脂血症、コレステロールが高い、中性脂肪が高い)、脂肪肝で肝機能異常、腎臓機能の低下)を発症している可能性が考えられる」ということになります。
大手美容クリニックではクリニックごとに体制は違うと思いますが、血液検査をそもそもしない美容クリニック(オンライン診療は血液検査なし)であったり、お薬の投与前に血液検査は1度はしますが、美容クリニックは内科の専門ではないため、「定期的な血液検査チェックをまずしない」と思われます。
保険診療の申請を国にしていないので、血液検査はしないです。美容クリニックにお金がかかるからです。したとしても、患者様が血液検査費用の10割負担となりますので、患者様が高額となります。
もし仮に、美容クリニックで初回の血液検査で血糖値が高かったら?脂質異常症、つまり昔で言う高脂血症(高コレステロール血症)を発症していたとしたら?
美容クリニックでの1回の血液検査で「糖尿病、脂質異常症、腎障害」を発症しているのにも関わらず、自費医療ダイエットのみで減量をしていたら?
答えは、「明白」かと思います。
将来、10〜20年早く心筋梗塞、脳梗塞、透析などの重要疾患になる可能性が非常に高まります。
真の正しい医療ダイエットをできる医師は、糖尿病内科医。「健康で安いダイエット」を著しい糖尿病治療薬の進歩でご提供できるからです。
1本3万円の治療費で早く脳梗塞になっていては意味がありません。「美は、血液から」です。
そもそも、GLP1受容体作動薬の細かい仕組みすらをわからずにオンライン診療などで気軽に出している先生もいると想像されます。副作用もあります。
※ここからはかなり、専門的になってきますので、読まなくてもいいと思います!📚✍️
「GLP-1受容体作動薬」とはどういう仕組で痩せられるの?
肥満症の治療に用いられる種類の中でも、「GLP-1受容体作動薬」というお薬(オゼンピック®、リベルサス®、今後発売のマンジャロとウゴービ®:下の図)は、血糖降下ホルモンであるGLP-1(Glucagon-like peptide-1)の作用を真似することで、食欲を抑制して食事摂取を減少させることにより、肥満症の治療に用いられます。細かい痩せられる仕組みを解説いたします。
GLP-1受容体作動薬の効果
①食欲の抑制
GLP-1受容体作動薬は食欲を抑制し、食事摂取を減少させます。これにより、食事の量を減らすことができ、カロリー摂取を制限する効果があります。
②食後血糖の低下
食後の血糖上昇を抑制し、血糖のコントロールを改善する効果があります。仕組みは「GLP-1が膵臓からインスリンの分泌を促進」し、「肝臓からのグルコース産生を抑制」することによるものです。
③体重の減少
胃の動きをゆっくりにする作用があり、胃の中での食べ物の停滞時間を長くすることで「食欲の抑制」や「食後血糖の低下」により、体重の減少を促す効果があります。肥満症の治療において非常に大切な機能となります。一方で、お薬の量が多いと食欲の抑制が強すぎて、吐き気・嘔吐につながりますので徐々に量を増やしていくことがポイントとなります。
④膵臓のベータ細胞保護
「膵臓のβ細胞を保護」し、「インスリンの分泌を促進する」効果があります。これにより、2型糖尿病の進行を遅らせます。
⑤脂肪代謝の改善
「脂肪分解」と「熱産生を促進する作用」により脂肪代謝を改善します。これにより肥満症が徐々に改善していきます。
かなり長くなりましたが、大規模臨床試験では効果が高い医学的エビデンスをもって肥満症が改善することが証明されています。
今後のさらなるエビデンスであるメタ解析という論文をかき集めて更に解析する方法で研究を行った論文がでてくれば、ほぼGLP-1受容体作動薬はトップクラスの糖尿病のお薬に登りつめるでしょう!
以上
糖尿病内科医の備忘録でしたとさ。では!
新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック(新宿駅徒歩3分・西新宿駅徒歩2分)
統括院長 松谷 大輔拝
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