糖尿病内科医の備忘録

〜心筋梗塞・脳梗塞にならない知識🖋を届ける〜

【勉強会:減量効果のすばらしいマンジャロ®を超える薬が…開発中🔥 難易度普通。The New England Journal of Medicine(世界2位の論文)2023 年 8 月号】

「レタトルチド」「スルボデュチド」という肥満症の週一回注射のお薬が、それぞれ「イーライリリー社(マンジャロを開発した会社)」と「ベーリンガーインゲルハイム/ジーランド社」から開発され、現在臨床研究が進められています。

あのマンジャロの更に上を行く減量効果がある薬になるかもしれません🔥🔥🔥止まらない肥満症治療の研究をご紹介🔥🔥🔥

 

 

 

 

 

 

 

 

 その前に…生活習慣病心筋梗塞脳卒中」の前には「肥満」という重要なドミノがあり、そこを抑えることが最も大切という「メタボリックドミノ」という東大の伊藤裕先生が考案したドミノを知りましょう。

 

 だから内科医たちは「痩せなさい!」って言うわけです。

 

 でも「減量したらどういう利点があるの?」という理屈がわからないとそりゃ、患者様はわからないですよね…。

今回もやはり私が大好き医学論文雑誌「The New Englanournal of Medicine」からの論文です。

メタボリックドミノ

 

 

 

 

 心筋梗塞・透析・脳梗塞などの「大病のドミノ」が倒れないためには

 

 「肥満ドミノが倒れるのを抑えることが最も大切だ!」

 

 つまり、生活習慣病のスタートは「肥満ドミノだ!」

 

 

 

 

肥満ドミノを倒してたまるか!

keio-emn.jp

k-ris.keio.ac.jp

researchmap.jp

 

 

 

 

 今回の論文も私が大好き世界2位の医学論文雑誌The New England Journal of Medicineという雑誌からデータを紹介します!

 

 

 

www.nejm.jp

 

 

 

アメリカのThe New England Journal of Medicineの本サイト

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2301972

The New England Journal of Medicineのサイト画面スクショ

 

 

 

 論文タイトルは…

「Triple–Hormone-Receptor Agonist Retatrutide for Obesity — A Phase 2 Trial」

 

 

 これが発表された医学論文雑誌の2023/08/31現在の雑誌の価値(IF: インパクトファクター)はなんと、、、「176.082点」!WOW!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 開発したイーライリリー社のホームページにも記載があります。

 

 

 

 

平均17.5%減量!たった24週間の成人で!
(イーライリリーホームページより)

investor.lilly.com

 

 

 

 野球でいうと、本当に大谷選手レベルの医学論文雑誌🔥

The New England Journal of Medicineという医学雑誌は野球で言う、「オータニサーン!!!」

 

 

余談ですが、日本の医学博士が取れる論文点数は「1~2点」で十分です。

 

 

 寂しい…。東大は最近レポート1枚で医学博士が取得できるらしいです。。。

 

 

 医学博士の中でもすごい方はいますが、上位5%くらいの先生がすごいのではないか?と推察します。もっと少ないかな…。。。

 

 

 実のところ「ほとんど論文点数を持っていない大学教授や医師が存在する」ことも知っておきましょう。

 

 

 論文を正しく統計学的に正しく読める医師が少ないということは恐ろしいことです。

 

 

 内科も外科も。最新の新しい治療薬や手術方法の論文を常日頃から見ていないわけですから…。

 

 

 いと、怖し…。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「IF=(インパクトファクター)が高い)」

=「論文雑誌点数の高い論文を持つ医師」

=「論文を書く力が高い」

=「統計的に正しく理解する力が高い」

=それを患者様に正しく還元する力が非常に高い

という可能性があります。

 

 

 ただ、ここで間違えないで頂きたいのは「医療においてIFが全てではない」ということです。

 

 

 やはり、どの業界でも「地獄を見るほどの"臨床の経験を積んできたか?”」ということに尽きます。

 

 

 

 

医療現場での「経験・反省・患者様への還元の経験値」が一番大切

 

 

 

 

 「なぜ、あの重体患者様は救われたのか?」

 

 

 「なぜ、軽症に思えたあの患者様が翌日にお亡くなりになったのか?」

 

 

 そこが最も医療業界では大事となります。

 

 

 大きな病院では、医師同士で病院内で亡くなった患者様の要因を医師が大勢集まって話合うことを定期的に行われています。

 

 

 信じるべきものは何か?

 

 

 謎のサプリCMの画面の隅っこに小さく「個人の感想です。」というサプリメントを信じるべきなのでしょうか?んなわけない…。

 

 

 誰が証明したのか?そもそも俳優が話している時点でもう無理…。

 

 

 

 

胡散臭すぎのCM

 

 

 

 

①「謎の脂質改善サプリは価格高い+ランダム化比較試験で実証されていないので意味がない」

 

②なぜこれを買い、医学的根拠の高い、安全で安いお薬を選ばないのか?

 

③「Q:コレステロールの薬って一生飲むんですか?」

 

④「はい、一生飲むからこそ、血管がずっとキレイでいられるんです。もし、ダイエットや食生活を変えられないのであれば!以上!」

 

 

 一生飲むと言っても、ロスバスタチン1日1回朝食後に、フリスクMINTIAなどの口臭消しくらいのサイズのお薬を飲むだけです。

 

 ロスバスタチン2.5mg1錠で3割負担だと1錠7.92円です。10円以下。。。なぜ内服を拒否するのか?

 

 「医師の説明不足が原因」です。

 

 それで大事な大事な一生に一回しか与えられない「きれいな血管がボロボロになっていくんです。」

 

 しかも、24時間体制で…。 

 

 LDLコレステロール(=悪玉コレステロール)が140-180mg/dL以上だと、次のような状態に血管がなります。

 

 (※回覧注意)きれいな血管でいたいですよね。厳密に言うと正常値でもこのようなプラークはいつかできます。

 

 それは当たり前です。

 

 人間はLDLコレステロールが30mg/dLは最低限ないと生きていけないからです。

 

 LDLコレステロールは細胞の膜・ホルモン・胆汁酸の成分になるからです。

 

 以下、冗談抜きで脅しではありません。

 

「警告です」

 

人生の選択肢①

「LDLコレステロールが180mg/dLの人」は「60歳前後での心筋梗塞脳卒中を覚悟してください💀」

 

人生の選択肢② 

 「LDLコレステロールが40-60mg/dLの人」は「90歳前後での心筋梗塞脳卒中を迎えら得るかもしれません👨‍🔬」

 

 どちらの道を選ぶか?答えは明確🔥自明🔥一目瞭然🔥明らか🔥明白🔥決まりきっている🔥当たり前🔥

 

 「LDLコレステロールが高くて放置を続けるとどうなるのか?」実際の写真を見て頂くのが一番早いでしょう。

 

 

 

 

高いLDLコレステロールは「血管がどんどん狭くなる…。24時間営業で…。」

 

 

 

 

【回覧注意】軽度と重度(コレステロールを下げる薬を放置した方の末路です。)
重度の恐ろしい血管を目に焼き付けてください。

 

 

 

 

 研修医のとき心臓血管外科を研修したとき、このような血管を見て「絶対にこのような血管になってはいけない」と思いました。

 

 まさに「50年経過した水道管のような血管でした。ボッロボロ」


 LDLコレステロール(=悪玉コレステロール)の高値を放置するともれなく、2番目の画像の重度のような血管になります。

 

 そりゃ…、心筋梗塞脳梗塞、血管が裂ける大動脈解離などの大病になります…。

 

 話が大きくそれましたので本題に入ります。

この春2023年、GLP-1/GIPの両作用(食欲抑制効果)を持つ新しい薬「マンジャロ」がリリースされました。

 

 マンジャロは血糖降下の薬ですが、なんどもブログに書いていますが、同時に「体重減少効果」も期待されています。期待どころか確実にすると思います。

 

 マンジャロのように、GLP-1の作用を含む強力な体重減少効果をもたらす新しい薬が現在開発中です。

 

 これらの薬は、糖尿病患者を対象にした試験だけでなく、肥満患者を対象とした試験も行われており、肥満治療にも期待されています。

 

 そのうちの一つが、れた、れたとるちゅ、「レタトルチド」です。

 

 レタトルチドはGLP-1/GIP/グルカゴンの3つの作用をもつ薬で、リリー社が開発しているお薬です。今後の研究の結果が期待されます。

 

 もう一つがスル、スルボジュ…「スルボデュチド」です。どっちの薬も読みづらいよ!!!

 

 

 

 

読みづらい薬だ…

 

 

 

 

 「スルボデュチド」はGLP-1/グルカゴンの2つの作用をもつ薬で、ベーリンガーインゲルハイム/ジーランド社が開発しています。

 

 まず、「レタトルチドの試験結果(The New England Journal of Medicine 2023)」をご紹介します。

 

 第2相試験

臨床試験第2番目の段階で、第Ⅰ相試験で安全性が確認された用量の範囲内で、同意を得た比較的少数の患者を対象とし、主に治験薬の安全性および有効性・用法・用量を調べるための試験)

 

には、338人(男性51.8%)が参加しました。

 

 BMI(肥満度)が30以上(かなり肥満)、またはBMI27-30で過体重(やや肥満)に関連する健康問題を抱える成人が対象とされました。

 

 「レタトルチド」の1mg、4mg、8mg、12mg、および偽薬を毎週注射し、48週間にわたって観察されました。

 

 48週後の体重減少率は、なんと!!

 

 それぞれ「レタトルチドの1mg、4mg、8mg、12mg」、および偽薬グループで、-8.7%、-17.1%、-22.8%、-24.8%、-1.6%(唯一、偽物の薬)でした。

 

 特に「12mgグループでは、平均体重が108kgだった参加者が約27kgも体重を減少させたこと」になります。

 

 「激ヤセ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、48週後に体重が15%以上減少した参加者の割合は、「それぞれレタトルチドの4mg、8mg、12mg、および偽薬グループで、60%、75%、83%、2%(唯一、偽物の薬)でした。

 

 「スルボデュチドも体重減少効果が高い」ようです。

 

 この試験も第2相試験で、対象は糖尿病のない肥満または過体重の人々(387人、そのうち68%が女性)で、平均年齢は49歳、平均体重は106kg、平均BMIは37でした。

 

 「スルボデュチド」は0.6mg、2.4mg、3.6mg、4.8mgの初期投与量が試されました。

 

 4.8mgの「スルボデュチド」を毎週皮下注射し、その治療を続けたグループでは、46週間で体重が18.6%減少しました。

 

 また、20週間をかけて「スルボデュチド」の用量を調整し、その後も4.8mgを維持して投与されたグループでは、46週後に体重が5%以上減少した参加者が98%、10%以上減少した参加者が82%、15%以上減少した参加者がなんと67%でした!!!

 

 

 

 

2回目

 

 

 

 

 すごい時代に突入したと行っていいでしょう。

 

 「どちらの薬にも主に消化器症状が副作用として報告されましたが、これは予想範囲内の結果」、つまり大した副作用ではなかったということです。

 

 今後が非常に期待されますね!!

 

 また今回もあらゆることを書きましたが、全ては皆様の健康のためです。

 

 4581字…。

 

 書きすぎだ…

 

 また新しい情報を皆様に共有させていただきますね!

 

 ではまた!

 

新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック(新宿駅徒歩3分・西新宿駅徒歩2分)

統括院長 松谷 大輔拝

 

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